本2018:ふとんかいすいよくー1

「ふとんかいすいよく」というタイトルから
内容は少し想像がつくかと思いますが、
親子で過ごす素敵な時間が描かれている絵本でした。

お話は、
中耳炎のために今年の夏はプールに入れないカズくんのために
とうちゃんが布団の海水浴場を作ってくれて、
泳ぎを教えてくれる、というものですが、
この”とうちゃん”がなかなか味があっていいんです。

あんまり さびしい ものだから
バスに のって せんとうへ いった
しらない 町の しらない 人と
いっしょに おゆに ゆれていた
これはとうちゃんが書いた詩で、
情緒があるような無いような。。。
本人は、
さびしいってところがこの詩のいいところで、
お風呂のことは英語で「バス」っていうから
「バスでバスに行く」ってのがこの詩の面白いところさ、
とひょうひょうと言います。
本2018:ふとんかいすいよく-2

そんなとうちゃんは、
カズ君が、
溺れる夢をよく見ることや、
プールで泳ぎの練習ができなくて悔しいことなど、
気持ちをちゃんと聴いてくれます。

カズ君のとうちゃんは、
大人としての苦労のやり過ごし方もわかっていて、
子どもの気持ちもきちんと受け止めてくれる
信頼できる人だと感じさせます。
本2018:ふとんかいすいよくー4

泳ぎの練習のあとは、海賊ごっこ。
親子で遊ぶ様子を見ていて楽しくなります。

本2018:ふとんかいすいよくー3

渡辺洋二さんの絵の青い海の世界がとても綺麗で、
レースのカーテンが波のように揺れたり、
布団の青いカバーが海で赤い模様が魚で。。。
と、布団とリアルな海とを結び付けてくれます。

夏の涼しい風や水の中に入った気持ちよさが浮かんできて、
寒い冬に読んだら暑さが恋しくなりました。


子供の頃、私は父とどんな遊びをしたかなあ?
そういえば、
小学校2年生のときに父に泳ぎを教えてもらって
初めて泳げるようになったんだ、
と、思い出しました。
そういう記憶があることは、大人になった時、心を温かくします。
幸せだなあ~と思います。

作者の山下明生さんは、20歳までお父さんに会ったことがなく、
父親の気配のする物すらない中で育ったそうです。


そんな環境のせいでしょうか、私の心にはいつか想像のとうちゃんが住むようになりました。そして、その想像のとうちゃんとの想像のあそびが、この『ふとんかいすいよく』の世界です。(作者あとがきより)

お父さんに会えない寂しさを補うために
想像の父ちゃんが心の中に生まれたのだと――。
作者のあとがきから、優しい人なんだなあ~と感じました。


親子で一緒に過ごす時間は、長いようで短い気がします。

親子の時間、家族との時間を
今までどんなふうに過ごしてきただろう?
そして、
これからどんなふうに過ごしたいだろう?
と、思いました。

最後までお読みくださいましてありがとうございます
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